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しかし残念なことにコリを取る確かな治療技術が無いのです。従来の器械と鍼による治療で、とてもこりを取る根本療法とは程遠いものです。医者の限界を感じざるをえません。
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T)「筋肉疲労が病気の原因だった!?」

福増一切照(ふくます さいしょう)著「筋肉疲労が病気の原因だった!?」(総合法令出版、1997年9月5日 初版)より

 1941年3月、愛媛県松山市に生まれる。幼い頃より、整体操法の治療師だった両親の影響から東洋医学に興味をもつ。京都大学医学部卒業、医学博士。県立尼崎病院心臓血管外科、国立姫路病院心臓血管外科に勤務の後、アメリカのユタ州立ユタ大学へ医学留学する。4年にわたり人工心臓の研究・開発に取り組み、人工心臓を埋め込んだ牛の存命期間の世界最長記録を達成。その後旧東ドイツ国立ロストック大学医学部付属病院客員教授をへて、帰国後は心臓外科の第一線で活躍をする。ロンドンのヘアフィールド病院の心臓移植チームにも所属した経験をもつ。1989年の秋にそれまで培ってきたキャリアに東洋医学的な知識を取り入れた「触手療法」に転身する。現在は、東京、大阪、京都、札幌、松山の5カ所に医療道場を開いて東奔西走の毎日を送る。医学環境問題研究所所長、全生医療道場場長。      ・・・・・・・・・・・・(著者は死去されたそうです。)

 彼は48歳で医師を辞め、触手療法家に転身してしまった人物です。この本の中で、「腰痛や肩凝りがひどくて整形外科医などに診てもらうと、坐骨神経痛とかヘルニア、膝関節異常、腰椎分離症・すべり症など、あるいは頸肩腕症候群、頸椎ヘルニアといった診断がくだる」けれども、そのほとんどは慢性筋肉疾患による血行障害だと福増氏はいいます。また「慢性筋肉(系)疲労というのは、全身の筋肉の一部に老廃物(酸性の疲労物質)が残存して、その部分が"凝り"の状態に陥っている慢性的な筋肉疲労のことである」「慢性筋肉疲労が、筋肉内を流れる血液の流れを阻害し、またリンパ液の流れを滞らせ、さまざまな障害をもたらす。またその状態が自律神経の働きを狂わせると、内臓の疾患をもまねいてしまう」と書いています。病気の原因を、
 「精神的ストレス」→「慢性筋肉疲労」→「自律神経異常」→「内臓機能不全」という悪循環考え、「慢性筋肉疲労」を解消していくことを、毎日の研究課題としていました。

 私の考え方に酷似していた方なので亡くなられてから知ったことを非常に残念に思います。心よりご冥福をお祈りします。 以下本文より抜粋したものです。

 骨粗鬆症とは、年をとってからだのカルシウムが不足するから生まれる病気だと考えられています。そこで、カルシウム補給の治療をすれば治るといわれています。しかし私の見るところでは、骨粗鬆症は長年にわたって積み重なった慢性的な筋肉疲労と靭帯の締めつけなどで血行が悪くなっているのが原因で、その点に注目し、触手療法による治療を行うと、老人にとってほとんど不治も同然の病である骨粗鬆症が嘘のように消えていきます。

 また、現代病の典型といわれる腰痛や神経痛も、整形外科では、牽引したり、コルセットをはめたり、あるいは強い鎮痛剤を服用したりという方法で治療しますが、かえって症状を悪くすることがあります。これも、痛みをもたらす原因となっている慢性の筋肉疲労を取り除けば治ります。

 筋肉疲労の激しい女子マラソンの選手は、オリンピックに出場するスポーツ選手の中では、最も骨密度が低くなっています。マラソンは、まさに骨身を削る戦いのスポーツです。
 病気の原因は筋肉疲労だけではありませんが、内臓の筋肉の蠕動運動やリンパの循環をサポートしている筋肉の働きが低下していれば、体調の維持に過大な負担がかかり健康にもよくありませんし、日常の養生で筋肉疲労を早めに解消することで健康に寄与する面もありますから、非常に大切なことです。

 西洋医学と東洋医学には、そせぞれ長短があります。まず東洋医学の長短を見てみましょう。現在の東洋医学には重大な欠陥があります。それは、対症療法を柱としているだけに、どうしても経験主義に傾いて理論性に乏しくなり、また、おうおうにして神秘主義に傾きがちになることです。 例えば東洋医学では、しばしば,『経絡をたどって・・・』という言い方がされます。そして、『腰椎の8番目の横○寸にある○○というツボを刺激すると、経絡でつながっているところの腎臓の病気が治る』と言う説明の仕方をします。そこで、そのツボに鍼を刺したり、灸をすえたりして治療をします。

 しかし、『経絡でつながっている』と言われても、その経絡なるものが何者なのか客観的、科学的に説明されないと、現在の東洋医学の主張を素直に納得するわけにはいきません。まして、『経絡に気が流れている』などと説明されると、曖昧模糊を通り越して神秘主義の分野になってしまいます。 といって私は、東洋医学の治療効果のすべてを否定しているわけではありません。客観的、科学的に説明できる治療法もあるし、まだ客観的、科学的な説明こそ出来ないものの、実際には非常な効果をあげている治療法も存在します。

 この『客観的、科学的な説明こそ出来ないが、実際には患者さんの病状をきわめて良く改善している』というのが、東洋医学の長所でもあります。患者さんが病気や体調不調に苦しんでいるなら、その原因がどうかなどとややこしいことを言わず、とにかく証を正常にする対症療法を行う点です。 その結果として、(原因が不明なために)西洋医学が手をつけられない病気であっても、治してしまうこともあり得るのです。

 一方、西洋医学の長短は、東洋医学の長短と裏返しの関係にあります。
まず長所から述べてみましょう。第一の長所は、病気や体の不調の原因を探り、その原因を除去しようとする根本的な姿勢にあります。すなわち、原因療法を志向しようとする積極的な姿勢です。

 次に現在の西洋医学の短所ですが、これは、客観主義、科学主義をあまりにも重要視してしまうところにあります。つまり、客観性や科学せいのないものは、無視してしまうのです。 例えば、原因療法を基本としてしているだけに、その病気の原因が特定できないと、西洋医学は無力になります。

 そこに臓器がなければ病気になることはないだろうと、本末転倒のことを考え、外科的に切り取ることもあります。あるいは万能の薬と取り違え、副作用の強いステロイド剤を乱用する暴挙も、平気で行う医者が多いのです。

 現代医学は、人間の心とからだについて、まだまだ分っていないことが多いのに、80%〜90%をも理解しているような気になっているのです。そこで、客観性や科学性のないものを無視してしまうという困った弊害が生まれるのです。実際は、分っているのはせいぜい5,6%といったところです。

 西洋医学と東洋医学の間で試行錯誤、いろんな知識と経験を積み重ねていた私にも、これこそが西洋医学と東洋医学の接点ではないか、心と体の接点ではないかーと思える医学現象との出会いがありました。自律神経やリンパ管との出会いです。

 こり(慢性筋肉疲労)が万病のもとだという本です。緊張がつづくと血液、リンパ液、体液循環の滞りをおこし、腰痛や肩こりになり、内臓機能を狂わせ、糖尿病や心臓病をうみだすということです。また筋肉の緊張・弛緩は自律神経のセンサーであり、筋肉は体液を送り出す第二の心臓だということです。筋肉の役割はいままであまりにも見過ごされていました。筋肉にも人生のパターンは記憶され、怒りや恨みは慢性疲労の大敵です。それらの感情は筋肉の緊張を長引かせる元となります。心は一過性のようにあることが大切です。

 慢性筋肉疲労に起因する四つの障害
   
(1998年一月号『ゆほびか』福増廣幸氏執筆記事から


 (1) 自律神経誤作動

 自律神経には全身の筋肉の状態をモニターしてからだの緊張度をはかり、必要な緊張弛緩を決めていくシステムがあるので、慢性筋肉疲労があると弛緩したいときも緊張しっぱなしになり、血圧が上がり、消化も悪いままになってしまったりします。これが原因で不整脈、胆石、腎石、大腸カタル、急性膵炎、胃下垂、無力性尿失禁、前立腺肥大などが起こることがあります。

 (2) 呼吸抑制

 真剣になったりプレッシャーにより息を詰めてしまうことがありますが、これにより胸やお腹の筋肉が慢性筋肉疲労を起こし、自然な深い呼吸ができなくなり、時には呼吸筋の痙攣によって狭心症や過労死に行き着きます。これが原因で無呼吸症候群、甲状腺腫、溜飲、偽ムチウチ損傷、前胸部痛、不整脈、非連続性老化などが起こることがあります。

 (3) 血行障害

 慢性筋肉疲労を起こした筋肉の中の毛細血管は締め付けられ、新鮮な血液が流れ込まなくなり、老廃物がたまり、また心臓に血を送り返す力が弱まります。これによって高血圧症、糖尿病、拒食症、胃十二指腸潰瘍、便秘、神経痛、リュウマチ、骨粗鬆症、疲労骨折、腱鞘炎、悪性腫瘍などが起こりやすくなります。

 (4) リンパ液停溜

 同様にリンパ管も締め付けられるので、免疫機能に狂いが生じ、内臓異変が起きやすくなります。これによって膠原病、浮腫、関節包水溜、アトピー、アレルギー性鼻炎、喘息、下痢、肥満、子宮筋腫などにつながっていくことがあります。      


 Book Club 代替医療の本のナビゲーターより

 作家の水上勉が心不全で倒れたとき、手術せずに助かったのはこの人の施術のおかげ、と言われている福増一切照(さいしょう=出家名)氏が提唱、実践した「筋肉は第二の心臓、第二の感覚器官」論に基づく触手療法について、現在入手しうる唯一の本である。97年の初版でおよそ新刊とは呼べないが、著者が故人となってしまった今、この本の重要性は再認識されるべきと考え、あえてとりあげさせてもらった。

 著者は、京大医学部卒で心臓血管の専門医として各地で勤務後、欧米で人工臓器の専門医として活躍。当時の動物人工心臓の世界最長記録を樹立した。帰国後、89年に西洋医学の解剖学的知見に東洋医学(経絡と野口晴哉の全生療法)を重ねた「触手療法」としてまとめ、実践の場として日本全国5箇所に道場を開いて治療に当たっていたが、数年前に亡くなった。1日に10人を超す患者に施術したためと囁かれている。

 筋肉疲労とこころの持ち方については『サーノ博士のバックペイン・ヒーリング』や『腰痛は怒りだ』(ともに春秋社刊)で、慢性的筋肉疲労と自己防御システムの悪循環による自律神経失調の心身相関仮説とそれに基づく方法が実証され、腰椎変成など器質性変異に偏重しがちな従来の西洋医学判断に対する有効な方法として注目され出していた。

 恒常的ストレスが慢性的筋肉疲労を引き起こし、リンパや静脈の循環を疎害し、免疫力を低下させ、肩こりや腰痛だけでなくひいてはがんにまでつながっていると説く。心身相関の接点を静脈とリンパの還流とそこに関わる骨格筋の多層なネットワークとし、この筋肉ネットワークこそ経絡思想の原点となったと考えられる『黄帝内経』にある経筋のことではと類推し、それに伴うからだの使い方が体癖になるのではと推論する。

 本書はタイトルのとおり、一般向けに書かれた実用書なので、精緻に検証されたものかどうかはわからないが、卓越した統合的視点であることは間違いない。手技の方法については、マッサージや揉むのとは異なり、刺激域の閾値寸前まで筋繊維や筋繊維束を圧迫し、筋肉−腱−靭帯−骨膜を緩めるというもので、詳しくないが、むしろオステオパシー、ロルフィングなどに近いのではないかと思う。

 著者の死後、技術だけが流出している様子があり、惜しまれる。(有岡 眞)

 整体朱鯨亭、整体の名人より
 
 心臓外科医から整体に転向した僧医、 福増一切照(ふくます・さいしょう、1941-99?)さんの 「触手療法」 (しょくしゅりょうほう)の考え方も、私の方法にとって重要な要素をなしています。この人は京都の相国寺(しょうこくじ)を拠点として活躍後、 90年代に長くない生涯を閉じられました。骨を直接に操作せず、筋肉を解き放つことによって骨は自然に動くという考え方をして成功した人だといえます。筋肉の重要性を説いた人は少ないだけに、整体技術の中で重要な位置を占めて当然の人だと思います。この人に注目する人が少ないのは残念です。もっと知られていい人でしょう。(整体朱鯨亭、整体の名人より)

Uコリの痛み


筋肉痛の恐怖


宇野武司(宮崎医科大学附属病院手術部) ペインクリニック Vol.22 No.10 (2001.10) 巻頭言

 数年前,久しぷりに学生を相手に思い切ってテニスを楽しんだ。プレー後,右肩にこわばりを感じたが,運動後の筋肉痛でやがて治るものと思っていた。ところが,日が経つにつれ痛みは強くなり,夜間,激しい痛みで目が覚めるようになった。肩が冷えないようにして我慢しいると1〜2時間で眠れたが,熟睡感はなかった。昼間は仕事で気が紛れたが,それでも痛みが常に気になるようになり,これはただの筋肉痛ではないと考えるようになった。何とかしなくてはと思い,筋筋膜性疼痛について改めて教科書を見直してみた。

 非ステロイド性抗炎症薬,中枢性筋弛緩薬,経皮的神経電気刺激,レーザー照射,ストレッチ&スプレー,トリガーポイントブロック(TPB)など本に記載されている治療をいろいろと試みた。TPBのときは,針がうまく刺入されたのか筋にぴくつきが起こり,局所麻酔薬が注入されるとすぐに痛みは消えてしまった.これで痛みがなくなるものと信じたが,数時間で痛みは元に戻ってしまい,裏切られたような気持ちになった。何をやっても時間が経つと痛みは元に戻り,また,夜間は痛みで目が覚める日が続き,どうなることかと不安に襲われた。

 痛み治療に頼るだけではダメだと思うようになり,積極的に肩の筋肉を使うことにし,大きく手を振って歩くようにした。また,日頃のストレスを和らげるため,近くの温泉に行きリラックスするように心がけた。こうして痛みは少しずつ和らぎ,半年で痛みは完全になくなったこの間,筋肉痛がいかに恐ろしいか身をもって体験し,自分でリハビリすることが大切であることに気がついた。

 トリガーポイント(TP)生成過程は,次のように説明されている。筋損傷から持続的筋収縮が誘発され,罹患部位に虚血が引き起こされる。その結果,発痛物質が産生され,侵害刺激となって痛みを生じる。交感神経反射,運動反射,ストレス,不遭切な姿勢などはTPを悪化させる。このように臨床的にはある程度理解されているものの,TPに関する分子レベルの病態機序は明らかではない。また,TP不活性化の機序についてもよく分かっていないようである。TPBに使用される局所麻酔薬に一体どのような意味があるのか?局所麻酔薬が痛みの悪循環を遮断することに意味があるのか,または局所麻酔薬の筋細胞毒性に引き続いて起きる筋細胞新生に意味があるのか分かっていない。さらに,局所麻酔薬の役割より針刺入による機械的なTP破壊の方に意味があるとも考えられている。最近,ボツリヌス毒素が筋筋膜性疼痛の治療に有用であることが示唆されているが,TPの新しい治療法として期待したい。

 TPは,腰下肢痛など多くの疾患に合併し,痛みを増強する原因にもなっている。今は,神経因性疼痛についての研究が盛んであるが,筋肉痛についても研究が進むことを望みたい。

Vやっとアメリカで筋肉について注目されるようになりました!

腰痛診断・治療の焦点を筋肉に   MRIなしでも早期職場復帰可能に
Medical Tribune[1998年7月2日 (VOL.31 NO.28) p.23]

  〔ニューヨーク〕 早く効率良く患者を職場へ復帰させ,高価な磁気共鳴画像法(MRI)をほとんど使用しない腰痛の診断・治療法を想像できるだろうか。それは,診断と治療の焦点を筋肉自体に置く腰痛へのアプローチである。レノックスヒル病院内科・精神科疼痛治療部門および同病院ニューヨーク疼痛治療プログラムのNorman J. Marcus部長は,数十年にわたってそのような方法を実行し,普及を推進してきた。先ごろ米国疼痛医学会はその業績をたたえ,同部長を同学会の会長に任じた。

  軽視されてきた筋肉


 Marcus部長は「筋肉は疼痛の直接の発生源ではなく他の部位に存在する病理を反映するにすぎない,と考えられることが多い。筋肉を使う運動療法も,大部分が筋肉自体ではなく骨格や脊髄および神経根にインパクトを与えることを目的としている。しかし,これまでに良い転帰をもたらしてきたのは,体幹の特定の筋肉の障害や緊張に直接働きかける治療法だ。患者の大部分では,腰痛のおもな原因は筋肉の障害や緊張である」と述べた。

 同部長は「疼痛の医学的管理において筋肉系の重要性が軽視されているのは,医師が大学で学ぶ内容に関係があるようだ。基礎解剖学が終わると,疼痛の診断および治療に関する教育に筋肉はほとんど出てこない。つまり,われわれは診断アルゴリズムにおいて全身の70%を無視しているのだ」と述べた。

 同部長は「この無視には深い意味がある。これが身体の内部(骨格,神経など)の像を明確に映し出せるようになったのと同時に出てきたからである。われわれは,内部にあるものを見ることによって症状の源が分かると信じてしまった。この顕著な例が腰部MRI検査の施行または乱用で,大規模大学病院の神経放射線科では腰部MRIの10例中 9 例を異常と判定しているところもある。

  脊椎のMRI像が理想的な形をしている患者はほとんどいない。全く無症状の患者にMRIで椎間板ヘルニアなどの重篤な異常が見つかることも,多くの試験で示されている。これに加えて,筋肉に関する診断が行われないため,腰痛の原因として骨格や中枢神経軸を指摘する情報ばかりとなり,その結果,真の原因である筋肉痛が見過ごされて多くの的外れの治療が行われている」と説明した。

  筋肉痛に4つの原因

 ニューヨーク疼痛治療プログラムで提唱されている腰痛へのアプローチには,疼痛の主要原因としての筋肉の診断と治療が含まれている。患者の評価は,基本的な躯幹筋の強さと柔軟性を検査するクラウス・ウェーバー試験と,おもな筋群の触診によって行う。

 Marcus部長は「われわれのプロトコールでは筋肉痛に 4 つの原因があるとしている。

 第 1 は緊張、第 2 は筋力低下と硬直という障害であり、第 3 は痙縮、すなわち運動制限や疼痛を引き起こす不随意収縮、第 4 はトリガーポイント、すなわち遠隔部位に放散する疼痛が頻繁に起こる患者に必ず見つかる筋肉内の圧痛点である。この疼痛はしばしば神経根痛と誤診され、その結果、不必要な外科手術、神経ブロックやMRIの施行を招いている。

  最も重要なのは,これら 4 型がすべて合併している症例があるのを認識することであり,筋膜疼痛イコールトリガーポイントと考えるのは間違いである」と述べた。各診断に対して非常に特異性の高い治療プロトコールがついている。

 同部長らによる医師向けの腰痛セミナーは英国と米国で実施されている。同部長の患者であった英国の医師がこの腰痛診断・治療法を持ち帰り、プリンセスマーガレット病院の院長に紹介したことから、同病院に腰痛診断・治療センターが開設されたほか、他の病院40施設でも同様のセンターの開設が計画されている。

 診断と治療の焦点を筋肉に置いた結果、患者の多くは転帰が大きく改善した。なかには30年続いていた疼痛から解放された患者もいる」と述べた。


WW・B・キャノン博士「Wisdom of body」「からだの知恵」

 今から約70年くらい前に、アメリカの生んだ偉大な生理学者であるW・B・キャノン博士が「Wisdom of body」、日本では「からだの知恵」という本を発表しました。これは生体に備わっている「恒常性維持(ホメオスターシス)」という概念の発見でした。
 
  恒常性維持とはわかりやすく説明すると、生物はその「種」の生命を維持するために生体の内部環境を外界からの刺激に応じて時々刻々に変化させて、生命維持のための機構を一定の状態に保たせるように働くという概念です。具体的に言うと人体の体温は常に37度内外に保つことで、人体のすべての生理機能が円滑に営まれるための絶対条件です。

 これを維持するために体温が低くなれば熱を発生させる機構を働かせ、37度より熱が上昇すると、すみやかにその熱をすてるシステムを作動させて、恒常性を保っているのです。

 この視点にたてば身体に起こるあらゆる反応は、あるいは症状は恒常性維持のための対応としての発熱、発汗、嘔吐、下痢、咳、鼻水、目から涙であり、痛みの発生、関節の変形、筋の異常収縮(コリ)等の発現は何らかのサイン、何かを守るための必要な対応として発現すると考えられるのです。

 また博士は、「人間の身体はリンパ液と血液が支配している。リンパ液および血液の流れが悪くなったとき、細胞などの組織が弱まり、病原菌などに破壊された組織の蘇生力が低下して病気になる。」と言っています。

 「恒常性維持(ホメオスターシス)」をコントロールしているのが体液循環システム、筋肉システム、脳・神経システムです。サーキュレーションセラピーはこの三者のバランスを維持する治療法です。

X究極の免疫病治療・・・・・・私が最も尊敬する口腔科医で、医学者です。

西成 克成(にしなり かつなり)
1940年神奈川県生まれ。医学博士。1965年東京医科歯科大学卒業。
1971年に東京大学医学部大学院博士課程を修了し、東京大学医学部口腔外科教室講師になる。東京大学医学部付属病院で長く臨床に携わると同時に、実験進化学の研究を進め、臨床系統発生学をうちたてる。進化学研究の成果をもとに、自己免疫疾患などの免疫病のメカニズムを解明、治療方法を確立した。また、人工歯根・人工骨髄の開発における第一人者。第32回日本臓器学会オリジナル賞第一位受賞。現在は日本免疫病治療研究会会長、西原研究所所長。

 著書に『重力対応進化学』(南山堂)、『生物は重力が進化させた』(講談社)、『内臓が生み出す心』(NHK出版)、『顎口腔の疾患とバイオメカニクス』(医歯薬出版)、『免疫、生命の渦』(哲学書房)、『顔の科学』(日本教文社、)『赤ちゃんの生命のきまり』(言叢社)、『究極の免疫力』(講談社インターナショナル)などがある。


 重力進化学による哺乳動物の生命の仕組みの解明
  ―文明社会とヒトの身体的弱点について

(一)従来のライフサイエンスにはエネルギーの考えが完璧に欠落していました。そのために生気論(ウィタリズム)や不可知論が隆盛を極めました。従来の医学ではエネルギーが例外的に扱われており、一般に物質主義すなわち質量のある物質のみで成り立つ19世紀の「質量保存の法則」の世界観・宇宙観に基づいていました。

  生命体でも分子生物学の微小細胞生命体の世界では、例えば1万Gという重力エネルギーのもとでも平然と生きていますが、高等動物では7Gで暫くすれば死んでしまいます。エネルギー保存則に基づいて生命科学を早急に改造しなければならない時がきています。シュレーディンガーは分子生物学を創始するに際して、生命体の本質は「遺伝現象」であるとしました。これでは遺伝する暇のない一代限りの生命現象は除外されてしまいます。

  今や根底からライフサイエンスや医学を現代の学問水準のもとに照らして見直す必要があります。今日進歩していると思われている科学の世界で、「生命とは何か?」という定義すら存在しないことに気づきます。ここでまず「生命とは何か?」を定義し、次いで単細胞の原生動物と脊椎動物について考え、哺乳動物を定義しましょう。これらの定義はこれまでに存在しなかったので、筆者が自ら考案して定義しました。

 「生命とは、蛋白質・核酸・多糖質・ミネラル・ビタミン等の水溶性のコロイドから成り燐脂質の半透膜で外界と堺される有機体で、エネルギーの渦が廻るとともに(代謝と共軛して)細胞個体のパーツ又は丸ごとをリニューアル(リモデリング=新陳代謝)して老化を克服するシステムである。個体丸ごとのリモデリングが遺伝現象で通常高等動物は生殖を介する。」というものです。油の溶媒の生命体が存在しないのは何故でしょうか?電解質が解離出来ないからです。生命現象は、水溶性の高分子物質のコロイドの純然たる電気現象です。燐脂質に堺された水溶性のコロイド内のエネルギー代謝は、電子の受け渡しによって行われます。

(二)高等生命体のエネルギー代謝には解糖系と酸素による細胞内呼吸の酸化的リン酸化があります。無酸素の解糖系が高等動物では僅か5%です。残りの95%が細胞小器官のミトコンドリアで行われます。
 
  ステロイドホルモンのミネラルコルチコイドとグリココルチコイドはまさにこのミトコンドリアのエネルギー代謝に作用しています。単細胞の原生動物と多細胞の高等動物を比較して考えると高等動物の生命の仕組みが明らかとなります。個々のおびただしい数の細胞の要求の対象は、すべて体液を介して行われます。体液を化学的にも物理的にも変化させる物質を個々に細胞がいかにして作って分泌するのでしょうか?

  これは、18億年前に真核生物に寄生した好気的バクテリアの一種のミトコンドリアが細胞内寄生生物として各器官の細胞内で自在に分裂したり、分化し細胞の欲する物質を求めるサイトカインを血中へ分泌するのです。おびただしい数の細胞の各々の主は、各細胞のミトコンドリアです。ステロイドホルモンのミネラルコルチコイドとグリココルチコイドは副腎皮質細胞のミトコンドリアで合成され分泌されて血中に出ると、標的器官もまた赤血球以外の全細胞のミトコンドリアです。そして両者は全身の細胞のミトコンドリアのエネルギー代謝に作用しています。従来の医学では、このエネルギー代謝に関する無知ゆえに、闇雲にでたらめ医学が行われていました。

 従来の生命形態の変容の法則性に関する学問では、ラマルク学説の「用不用の法則」と骨の機能適応形態のウォルフの法則があります。この二つだけが重力作用に基づく生体力学つまり重力エネルギー作用を形態変容の原因子として認めています。ダーウィニズムや中立説、分子進化論等の他の学説はすべて原因子の探求もなく因果律も欠落したものです。ことにダーウィニズムはダーウィン主義と訳されますから観念論です。主義で進化は起こりません。

(三)生命科学の中で最も難しい難攻不落の難問の砦は進化の問題です。医学では難病といわれる免疫病の発症の原因究明の問題で、脊椎動物の形態学の謎が骨髄造血の発生です。造血器官というのは酸素を含む栄養を摂取・吸収した生命の細胞内において、いかにスムーズにエネルギー代謝を行うかを支えるシステムで、栄養の入り口の肺・腸粘膜と身体中の細胞内液との仲立ちをする担体vehicleの血球の創成器官generator です。

 生物は大略五種類の骨格系に分類されます。1. 硅酸系の硅藻 2. セルロースの植物 3. キチン系の甲類・節足類 4. 炭酸カルシウム系のサンゴ・貝類 5. コラーゲン・アパタイト系の脊椎動物です。

 博物学的にこれらの生物を時間軸に沿って観察すると、骨格の違いによって形態と機能の進化の様式が異なることが自ずから知られます。ここではヒトの属する脊椎動物の進化様式のみに限って研究することにします。コラーゲン・軟骨・硬骨の骨格を持つことを特徴とする脊椎動物の骨格に関する形態に関係する法則には次の二つがあります。

 脊椎動物の歯は食性(食べ物の種類)が一定すると、軟骨魚類・硬骨魚類・爬虫類哺乳類にかかわらず形が一定する。

 骨格や頭蓋の形、鼻孔の位置は身体の使い方が一定になると力学対応してそれに適応した形に変化する。(ウォルフの法則)

 これらはともに経験的法則性を示すものです。自然科学の法則は、観察に基づいて集計し、その中から法則性を抽出するものであるから「かくの如く見える」というのが法則性となります。

 二つの法則は、ともに食物という物性を砕く力(エネルギー)と一定の骨格・筋肉の動きという力(エネルギー)が細胞の遺伝子の引き金を何らかの形で引くことを意味しているのです。従って生命体の形と機能の累代に及ぶ暗号の伝達は、個体の遺伝子の中に収まっているハードの情報系と食物の性質という物性すなわち環境因子や身体の使い方の教育による一定化という広義のエネルギーすなわちソフトの情報系の二重支配にあることが簡単にわかります。

  例えばラッコは親に育てられて深海で貝の取得法を教わらなければ、ヒトに育てられて成体となっても死んでしまいます。渡り鳥もリーダーを失うと渡りはできなくなって亡びます。従来このソフトの情報系というエネルギーを見失っていたのです。

 ヒトが人として育つのは、膨大な教育というエネルギーを必要とします。脊椎動物は、同じ遺伝形質のまま生き方を恒常的に変えると形が変わります。幼形成体のメキシコサンショウウオのアホロートルを水を徐々に減らして水無しにすると、同じ遺伝形質のまま外鰓が消失し、頚部の鰓孔が閉鎖して頸が発生し、ペラペラの造血器であった心臓の筋肉が肥厚して心臓を養う栄養血管の冠動脈が発生します。筆者は実験進化学として両生類とネコザメを実際に陸上げして身体的変化を詳しく観察しました。行動様式を恒常的に一定期間以上変えるとまさに同じ遺伝形質のまま身体の器官や形が劇的に不可逆的に変化します。

(四)脊椎動物を決める物質は骨です。「骨化の程度にかかわらず骨性の脊柱を持つ脊索動物」がこの宗族の定義で、その特徴的器官が腸管呼吸の鰓と肺であり、ともに鰓腸に由来します。他の宗族の高等生物の呼吸は皮膚呼吸です。

  脊椎動物の進化史上劇的に変化する構造と器官が、骨格筋肉系と呼吸器です。どのように変化するかというと、頭進により内臓筋肉の平滑筋から骨格筋が分化し、同時にコラーゲン骨格が軟骨化し、次いで上陸時に水呼吸の鰓が空気呼吸の肺に進化すると内骨格が硬骨になるとともに細胞呼吸と外呼吸器の肺との仲立ちをする担い手の造血系が腸管から骨髄腔に移ります。
 
  進化で形と働きと組織・組成が最も顕著に変化するのは鰓器(造血器)と骨格です。前者からは造血器・内分泌器と肺が、後者からは骨性の癒着歯から関節を持つ釘植歯と内骨格の軟骨から造血を行う骨髄を持つ関節骨が分化発生します。筆者は合成したセラミクス人工骨を用いて釘植型人工歯根と人工骨髄器官を哺乳動物の生体内の筋肉や骨内に異所性に移植し、これらの人工器官にエネルギーを加えることによりハイブリッド型にセメント質や血液組織を分化誘導することに成功しました。

  これはエネルギーを触媒として遺伝子の引き金を引く手法で、細胞の化生(metaplasia)という現象を利用しています。すべての未分化間葉細胞が個体のすべての器官を作ることが可能な遺伝子を持っている事に着目したのです。これで進化がエネルギーをはじめとする生命個体に作用するすべての物質の刺激の長期的恒常的な変化によって起こっていることを明らかにしました。


 進化には骨格系を中心とした外形形態の変容と、呼吸器や皮膚・生殖系の如く機能と外形の著変する変容の二つに大別されます。前者は骨格系の変化の決まりの「ウォルフの法則」に従い、後者は生活媒体の恒常的変化や身体の使い方の恒常的変化(教育等)で化生metaplasiaによって起こります。いずれも同じ遺伝形質のまま、用不用の法則に則って形の変化が累代に及びます。

 今日の20・21世紀のライフサイエンス(医学・健康の科学・進化学・人体発生機構学)は、19世紀の博物学を受け継いだまま、すべてがごちゃまぜのうえにすべてが質量のある物質に基づいて成立しています。植物から細菌・ウィルスから無脊椎動物・脊椎動物までごちゃまぜに漠然と進化や生命発生機構学が語られています。すでに最盛期をすぎた分子生物学の世界では、1万G(1G=地球の引力(重力)エネルギー)でも10万Gでも生命体は生きていますが、哺乳動物は3Gで寿命が縮まり、7Gでは1日か2日で死んでしまいます。

  これが何故なのかを考える人は皆無に等しく、ゾウリムシに対する重力作用の研究を一生涯続けている老学者もいます。レーノルズ 数が1以下の微小な原生動物(哺乳類の単細胞でも)には、重力は作用しないのです。こんなことも知らないで、世界中で無駄な研究が行われています。これはエネルギーが質量のない物質として宇宙を構成していることを本当には理解していないからです。

  多細胞動物の脊椎動物には、血液があり体を作っている各一粒の細胞は、すべて血液から酸素と栄養を得て老廃物を血液に捨てています。従って血の循りが悪くなれば、細胞の生命は弱ります。引力というエネルギーは、ニュートンの「万有引力の法則」が示すごとく質量を持つ物質にそなわった本性として、質量のある物質のみに作用し、質量のない光や熱(電磁波)には一切作用しません 。

 質量のある物質は、空間を等速・加減速・直進・曲進し、時にこれらが互いに衝突することがあります。これが力学現象です。質量のある物質のみの間に生ずる現象です。従って質量のないエネルギーには力学現象は存在しません。これがまことしやかに語られたのが20世紀のお伽話の世界です。宇宙はこの質量のある物質と質量を持たないエネルギーで成立しています。

  宇宙の構成則は、空間・時間・質量のある物質・質量のある物質にそなわった引力(重力)力学エネルギー・温熱光電磁波動エネルギーの五種類です。空間も時間も引力も光も質量のある物質もそれぞれエネルギーの様態です。質量のある物質はある極限状態( 星の衝突や原子炉内)で質量のないエネルギーすなわち時間と空間と光に変換されます。

  質量の無いエネルギーは時間と空間(エネルギー)が共軛して存在し切っても切れない関係にあります。これがエネルギー保存則にもとづいた宇宙の構成則です。これでブラックホールもビックバンも有り得ない大人のお伽話となります。 ブラックホールやビックバンは完璧に腑に落ちない話です。

(五)進化はラマルクの用不用の法則とヘッケルの生命発生原則(生命反復学説)によって研究することが出来ます。

 ラマルクの用不用の法則(Use and Disuse Theory)は以下のごとくです。
「第一法則」 すべての動物において、あらゆる器官の頻繁で持続的な使用は(発達の限界を越えないかぎり)、この器官を少しずつ強化・発達させるとともに大きくし、これに比例した威力を付与する。他方、しかじかの器官をまったく使用しないと、この器官はいつのまにか弱まって、役に立たなくなり、次第にその力を減じてついには消滅する。

 「第二法則」 ある種族が、久しい以前より身をおいてきた状況の影響により、すなわちある器官の優先的な使用の影響、およびある部位の恒常的な不使用の影響により、自然が個体に獲得させた、あるいは失わせたあらゆるものは、獲得させた変化が雌雄に共通であるか、新しい個体を生み出したものに共通であるかぎり、自然は生殖によって新しく生まれた個体にこれを付与する。

 ラマルクは第一とこの第二法則をまとめて用不用の法則とし、これを「不動の真理」とした。そして「これを見過ごす事の出来る者は、自ら一度も自然を観察したことのない者だけである」とも述べている。
 筆者はこのラマルク学説について生体力学、つまり重力エネルギーの主導のもとに形態学・機能学・分子生物学の三者を統合し真正用不用の法則(Genuine Use and Disuse Theory : Lamarck-Nishihara)としました。

  これは「ソフトの情報系を累代にわたって変化した恒常的環境や教育等で伝えることにより、ハードの情報系(遺伝子)が同じでも形態の変形を次代、次々代に伝えることが出来る。環境変化で生活媒体が恒常的に変わると、鰓器等は同じ遺伝形質のまま異なる型と機能を持つ細胞に変化(化生)する。百万回に一回の割りで起こる生殖細胞内の或る器官をつくる遺伝子の突然変異が蓄積すると、用不用の法則に則って起こる形の変形を後追いして、蛋白質をつくる遺伝子の配列が変化し、その結果蛋白質のアミノ酸の組成が無目的に変化する。これが分子進化である。」というものです。

 一方脊椎動物の形の機能適応に関する法則としてウォルフの法則(Wolff’s Law)があります。これは「骨は長期間の反復性の機能のもとで、その機能に最も適合した形態に変化する」というものです。生物の体は遺伝子というハードの情報系と、一定の使い方というソフトの情報系との二重の支配を受けているのです。用不用の法則の一代かぎりの部分的法則性を、骨に着目して示したのがウォルフの法則ということが出来ます。

 生命発生原則(Biogenetic Law)(生命反復学説 Recapitulation Theory)は以下のごとくです。脊椎動物の進化の各ステージ毎の形態的変容の法則性を示したヘッケルはこれを系統発生学(Phylogenie)と名付け、個体の胎児の発生過程の形態的変容の法則性を個体発生学(Ontogenie)と名付けた。彼は「個体発生は系統発生を繰り返す(Ontogeny recapitulates phylogeny)という、いずれも彼自身が作った言葉を三つ並べた簡潔な文章で生命発生原則を表現した。

 筆者はこれについても同様に形態学・機能学・分子生物学の三者を生体力学つまり重力エネルギーを原因子とし統合し真正生命発生原則(Genuine Biogenetic Law : Heackel-Nishihara) としました。この三者統合研究の手法に則って個体発生の過程をひろく分析的に検証し、@形態系 A器官系 B機能系 C代謝系 Dホルモン系 E免疫系 Fリモデリング系 G遺伝子系の八つの表現形が互いに密接不可分の関係を保ちつつ、しかも別個の論理で変化しながら各ステージで再現されることを明らかにしたものです。

(六)筆者が脊椎動物の進化が重力エネルギーに基づいて起こっていることに気づいたのは、エネルギーを触媒作用として未分化間葉細胞の遺伝子の引き金を引くことによりハイブリッド型の人工器官を開発したことによります。さらに、個体発生学の研究で、眼と歯の発生過程の組織細胞所見が同じであることを知ったことによります。

  眼は電磁波を受ける器官で歯は重力作用のうち質量のある物質の衝突を受ける感覚器官です。生命体は、重力作用と電磁波を完璧に等価として感知していたのです。重力作用を感知するその他の器官には、骨と筋紡?、三半器官と平衡器があります。


  重力・質量作用は、質量のある物質の固体と気体と液体に引力として作用しますが、それぞれ作用の仕方が異なります。物体で引力が顕著に作用するのが流体で、多細胞の生命体では血液です。7Gでヒトが簡単に死ぬのは体液循環が阻害されて、脳に血が行かなくなって気絶して死ぬのです。

  生命体に作用するエネルギーは、太陽光線、温熱、寒冷、気圧・水圧、湿度、音波・超音波、流体力学、引力、電気、電磁波動エネルギー、放射線です。これ等のエネルギーを一瞥しただけで、動物種によってエネルギーの受け方の違いが解ります。海中の棘皮動物や節足動物と陸上の温血動物では、温熱、寒冷エネルギーの受け方が違うのは誰にでも解ることです。

  20世紀と今日の21世紀には、こんなことも無視して進化や免疫や骨髄造血発生の謎が研究されていたのです。ヒトの医学を中心とする生命科学は、脊椎動物学のうち哺乳動物学を研究しないかぎり、今や何物も解明されません。

(七)今日のわが国の治療医学と発育学・発達医学と保健学・体育学は、哺乳動物であるヒトの特徴を忘れ、進化学から見てヒトの哺乳動物としての構造的欠陥に関する無知と、哺乳動物の生命の決まりを無視したこわれた医学で成り立っています。今の育児医学では哺乳動物の生命のきまりを破るようなラマルクの言う正常な生育の範囲を超えた育児法により用不用の法則に則って病気が発生します。ここではこれらを矯正する正しい育児学と大人の人体健康学について述べます。これは脊椎動物と哺乳動物の定義を把握し、人体の構造的欠陥を克服し、生命の決まりを守ればすむことです。

 哺乳動物の定義は、「やがて咀嚼を行うことになる吸啜のシステムを持って生まれてくる恒温性の動物」です。哺乳動物の生命の決まりは次の五点です。

 骨性の脊柱を持ち、地面と平行に脊柱と腸管が存在する四足獣で腸管の一部から成る肺で呼吸を行う。 吸啜も咀嚼もともに鰓腸由来の呼吸内臓筋肉で行うから、呼吸しながら吸啜・咀嚼し、吸啜・咀嚼しながら呼吸する。吸啜と咀嚼をおろそかにすると腸の消化が阻害され、その結果ミトコンドリアの細胞呼吸が障害される。

 哺乳動物の骨格では関節骨(関節部・肋骨・胸骨・椎骨・骨盤)と頭蓋皮骨の骨髄で細胞呼吸の担体vehicleである血液細胞のgeneratorの造血を行う。特に歯槽ソケット関節を持つ上下顎の頭蓋皮骨全体で生涯にわたり呼吸内臓筋肉で吸啜・咀嚼しながら造血しつつ呼吸し、呼吸と造血をしながら吸啜・咀嚼するからこれをおろそかにすると全身の細胞呼吸が阻害される。

 恒温性を持ち、種によって体温が異なる。免疫系(体液内における白血球の消化システム)は恒温性の体温に依存性があり、体温が1℃下がると免疫系は抑制される。

 赤ちゃん(乳児)期の腸は成体と全く異なる特徴があり、母乳ないし乳児用ミルク専用に出来ている。抗原性のある蛋白質の1千万倍の大きさの細菌の芽胞や腸内細菌まで吸収する。

 内臓と皮膚が交感神経で繋がっていて、体温が1度下がるとリンパろ胞内の白血球を介して腸内の常在性細菌が血液内に入り、この細菌を体中に播種する。各器官や臓器を作る細胞群の細胞内感染症を引き起こす。

(八)進化がエネルギーをはじめとするすべての物質刺激の恒常的な変化によって起こっていることが解れば免疫病の本態は容易に解明される。つまり免疫病とは「哺乳動物の生命のきまり」を破った時に哺乳動物に発生する身体の各器官や臓器の腸内の常在菌の細胞内感染症によって発症するミトコンドリアのエネルギー代謝の障害である。通常はヒトと家畜(犬、ネコ、ニワトリ、牛、豚)に発生する。

 ヒトの場合には身体的特徴として一般の「哺乳動物の生命のきまり」から逸脱した構造欠陥と生活様式がある。その一として、しゃべることによる口呼吸はヒトのみの構造欠陥がある。その二として、直立歩行=脊柱・腸管と地面が直交し内臓が下垂する。その三として、2才半以前の赤ちゃんに食物を与えること。その四として、加熱食品ばかり食べる。その五として、昼夜を問わず働く。


 究極の免疫力

 身体を温めるとなぜ病気が治るのか?難病といわれる免疫病の多くは、日本が先進文明国の仲間入りをしてから急増しています。人類特有の「しゃべる」という行動様式による口呼吸に加えて、働きすぎと、文明を手に入れたことにより、全身の細胞で障害が起こっていたためなのです。

  例えば、ビールを飲んだりアイスクリームを食べてクーラーにあたれば、寒冷エネルギーによって、ミトコンドリアの障害がおこります。個体のエネルギー代謝が不調に陥ります。ミトコンドリアの活性化には温度依存性があるので、身体が冷えると活動ができなくなります。ミトコンドリアは細胞のエネルギー産生や、その細胞に特異な物質(ホルモン・サイトカインなど)を分泌している大切な細胞内小器官です。

  寒冷エネルギーにさらされると、全身の細胞のミトコンドリアが働かなくなり、エネルギーも分泌物質も産生されず、さまざまな不調が起きるのです。生き方が原因で、病気が法則性をもって起きています。「身体を温めると病気が治る」と言われているのも、この理由からです。身体をきちんと温かく保っていれば、全身のミトコンドリアが生き生きと活動し、細胞のリモデリング=新陳代謝がスムーズに行われます。
このリモデリングこそ、私たちの生命が流れる渦のようなものなのです。

  当たり前の正しい生き方をすれば、私たちは病気から逃れて生きることができます。しかし、日本の医学は、残念なことに、こうした根本的なことには目を向けていません。日本医学が、人間の身体を総体的にとらえなくなったことが、こうした難病が治らないままにされている原因にもなっています。健康に生きるためには、生き方を改めなければなりません。正しく呼吸し、正しい食物をよく噛んで食べて、よく眠り、正しくエネルギーを摂取して生きていれば、文明が進んで疫病の多くが克服された現代社会では、健康生活が手に入れられるのです。

Y西原式健康術・・・・・・身土不二の会主幹、歯科医三谷 亨さんがレポートされたものです。

  東京大学医学部講師を平成13年の3月に定年退職なされ、現在は西原研究所&西原歯科口腔外科診療所を開設なさっていて、最近マスメディアで引っ張りだこの医学博士であられる西原克成先生の提唱する健康術を紹介させていただきます。また、西原先生は私の主幹する健康の会:身土不二の会の会員でもあられ、正療園の完全無農薬EM米を取って頂き、"しっかりとお米を食べて健康を保とう!"という健康法を実践せれてます。

 西原先生の提唱する健康術は、健康の維持・増進のために日常誰でも手軽に取り入れることができ、生活習慣を改め、西原式健康術を実践することで、免疫力を高め特にアトピー性皮膚炎、花粉症、喘息、リュウマチ、膠原病など自己免疫疾には、多大なる効果を上げていることは、東大病院で立証済みです。西原式健康術では、主に次の4つのことを提唱されています。

口呼吸の誘因とその害! 口呼吸をやめ、ゆっくりと深い鼻呼吸に改めること!

 『口で息を吸う癖は万病のもと!』これが西原先生の口癖であり、なんだそれは?と思ってしまう方が多いと思いますが、口で日常的に呼吸できるのは、なんと人間だけだそうです。他の動物は、気道と食道がきちんと分かれているので鼻でしか息ができません。人間は、言葉を習得した結果、気道と食道が咽頭でつながって交差しているので鼻の代用として口でも息ができるようになったのだそうです。

  空気中にはウイルスや細菌、有害物質が溢れています。口は全くの無防備。呼吸器の一部である鼻は'加湿器付き高性能空気清浄器'といわれるほどで、鼻呼吸をしていると鼻の微細な繊毛の粘膜が守ってくれます。また鼻に空気を通すと、脳の外界への窓口である嗅覚神経が刺激され免疫系は生き生きとしてくるそうです。口で呼吸していると、そうした鼻の機能が低下します。

 のどは細菌やウィルスが空気とともに入ってくるため粘膜の下に免疫の中枢であるリンパ組織が発達し、のどを守っています。このリンパ組織を咽頭扁桃リンパ輪(ワルダイエルリング)といい、人間の第一番目の免疫機構であります。日常的に口呼吸をしていると、空気とともに進入してきたウィルスによりワルダイエルリングがやられやすくなり、免疫システムが狂い自己免疫異常がおきやすくなります。甲状腺が腫れたり、胸腺や腎臓、副腎にも影響してきます。 

 ワルダイエルリングには無症状のままにウイルスや細菌が住み着きます。ワルダイエルリングも白血球を作る組織で、ここで作られた白血球はウイルスや細菌を生きたまま取り込んでしまう、つまり菌を消化解毒して身体を守るはずの白血球が逆に菌を抱えて体中を巡るのです。そして、菌を抱えた白血球は性質が異なるため、ほかの正常な白血球やリンパ球が対抗します。

  ですから、睡眠中に元気な白血球やリンパ球が円滑に再生されていれば、消化できるのですが、睡眠不足だったり口呼吸で寝ていると、ウイルスが身体のあちこちに巣くって、悪さをするようになります。それによって発症する病気は風邪に始まりアレルギー性疾患や膠原病、血液の病気など、さまざまです。新陳代謝は、重力を解かれた夜の睡眠中に活発になるので短時間睡眠だったり口呼吸で寝ていては、免疫系は十分に働けず、休養にもなりません。

 私たちは、普段ほとんど意識することなく呼吸をしているので'口呼吸?'なんて思うかもしれませんが、忙しく空気の汚い都会で生活する現代人は、以外と多くの人が、口呼吸をしているのです。口呼吸といっても口だけで呼吸するわけではなく、口からも呼吸するということです。激しいスポーツをする時は、口呼吸の割合が高くなりますし、緊張したり集中したりあいている時も口呼吸する人が多いようです。皆さんも意識してみてください。以外と口呼吸をしている時が多いはずです。また、普段呼吸は無意識でしているので、ほとんどの人が浅い呼吸が主で、深い呼吸をすることはほとんどありません。ヨーガや太極拳などの健康法も呼吸と瞑想(精神のリラックス)が主体となっています。従って、意識的なゆっくりと深い鼻呼吸をすることは、健康の維持・増進のためのキーポイントとなります。

ゆっくりとよく噛んで食べること!

 皆さん一口何回噛んで食べていますか?食べることも呼吸と同じ本能の一つなので誰も意識して行なってないと思います。便利で快適な現代社会においては、食品も軟性化したこともあり、また忙しかったり、テレビや新聞を見ながら食べたりする方が多いので、一口10回も噛まないで食べてる方がほとんどだと思います。

 昔は、軟性食品がなく必然的によく噛んで食べるしかなかったといえばそれまでですが、庶民が毎日おなかいっぱい食べられるようになったのは、戦後になってからでしょうから、そんなに昔から日本人はよく噛んで食べていたのだろうか?とも思えますが、古くから'箸置き'や'箸休め'などという言葉があることからして、戦(いくさ)や戦争のなかった平和な時代には、たとえ粗食でもあっても、ゆっくりと味わって食事を楽しんでいたと思われます。
 一口30回、最低20回は噛んで食べましょう!と言われても、これはかなり意識しないとなかなかできません。しかし、これは食べる時だけちょっと注意すればいいことなので、呼吸法よりは簡単にできるかもしれませんね。

 よく噛んで食べることの効能は、たくさんあります。

 @よく噛んで食べると、消化吸収がよくなり、満腹中枢が働くので肥満防止
  にもなります。そういえば、テレビの大食いチャンピオンは、みんなほと
  んど噛まずに流し込んでますね!そうなのです、よく噛んでいてはあんな
  にいっぱいは食べられないのです。
 Aよく噛んで食べると、唾液の分泌がよくなり、唾液の中に含まれるパロチ
  ンというホルモン・サイトカインは、再び口腔内で吸収されて骨や歯を丈夫にし、血管の
  若さを保ち、筋肉を引き締め、皮膚や髪の毛の発育までも助ける働きがあ
  ります。よく噛んで唾液が食物に十分混ざると、唾液には発癌物質の毒性
  を消す働きもでてきます。これで、同じものを食べてもよく噛んで食べる
  と食中毒にもなりにくいというのにもうなずけます。
 Bよく噛んで食べると脳が活性化され、ボケ防止や集中力アップにも効果が
  あります。これは、咀嚼筋を通して脳底部である視床下部に刺激が伝わる
  ことと、咀嚼筋の間に頬部静脈叢があり、よく噛むと頬部静脈叢が陰圧に
  なり脳内血流量が増し、脳内酸素量も増加するので、脳が活性化されると
  いう訳です。

また、冷たいものを大量に飲むと腸を冷やし過ぎて免疫力が低下するそうです特に病気や身体の弱ってる時は、絶対に冷たいものは避けて逆に温かい飲物や食べ物を取って腸を温めた方が身体の回復は早いそうです。

 難しい効能は別にしても、ゆっくりとよく噛んで食べることは、精神的にもゆとりができ、リラックスできますので皆さん、是非実践してみて下さい。

仰向けで大の字で、一日7〜8時間十分な睡眠時間を取ること!

 哺乳類は一般的に、うつぶせ寝や横向き寝をしますが、人間は直立歩行をするようになってから仰向けで寝るようになりました。これは、人間の身体の構造が直立して生活するようになっていないので、立って生活するようになると、身体のいたるところに歪みが生じてしまいます。仰向けで大の字で寝ながら時々右に左に寝返りをうつことにより、昼間の生活で溜まった身体の歪みを自動調整しているのです。

 腰や膝が痛くないのにうつぶせや横向きでないと寝れない方は、単なる長い間の悪習慣なので、意識的に仰向けで寝る様にしているとしだいに自然と仰向けで寝られるようになります。仰向けに寝ると腰や膝などが痛む方は、まずそちらの治療が先でしょう。そして少し良くなってきたなら、仰向けで寝るように訓練して下さい。仰向けに寝て身体の歪みをとることにより腰痛などの再発防止にもなります。

 最近流行の抱き枕などは愚の骨頂で、寝てる間に身体を休めることができないばかりでなく、寝てる間に自分で自分の体をいじめている様なものです。ではどうして、抱き枕などなるものが流行るのかというと、胸に圧力がかかると安心して寝やすいからだそうで、うつぶせ寝や抱き枕愛用者には、精神発育期に両親や兄弟からの十分な愛情を与えてもらえなかった人に多く、淋しがり屋の人に多いそうです。これも核家族化、少子化、個人主義のすすむ現代社会の歪みの現れでしょうかね?

 いずれにせようつぶせ寝や横向き寝は、頸椎や腰椎を歪ませ、頸椎や腰椎には自律神経の核が存在するので自立神経を狂わせることにもなってしまいます。特に発育成長期の子どもたちは、仰向けで大の字で寝る習慣をつけることが大切です。発育成長期の子どもたちは、頬杖をついたりうつぶせ寝をしてるだけで簡単に脊柱側彎症になってしまいますので。

 '病は気から'というように精神(気持ち)と身体健康)とは密接な関係があるようです。ストレスを溜めないようにするには、イヤなことはすぐ忘れて、楽しいことだけを考えたりすることだそうですが、頭では分かっていてもなかなか難しいことです。上手なストレスコントロール法をもう少し分かりやすくいうと

 @何か熱中できる趣味をもち
 A一年間のおおまかな楽しい計画を立てて
 B1〜2ヶ月先のすごく楽しいことを考えながら
 C1〜2週間先のちょっと楽しいことを考えながら
 Dその日のささやかな楽しみのことだけを考えるようにし

イヤなことは、もう終わってしまったこととあきらめて、なるべく早く忘れてしまうことだそうです。

 気分転換したりストレスを発散する方法はいろいろありますが、あまり熱中し過ぎると逆に身体にストレスを溜めることになりかねませんので、あくまでも程々にしておいて下さい。

 以上西原式健康術について述べました。消費に頼る生産効率至上主義型経済にも陰りが見え始め、平成不況で少し仕事がヒマになった人も多い日本ですが、この豊かで便利な日本社会をここまで支えてきたのは、まじめで勤勉で仕事第一にがんばってきたモーレツ型仕事人間です。いわゆるモーレツ社員は、ゆっくり息する間もなく一日中忙しく働き続けて、食事もよく噛まずにお腹の中へただただ流し込むだけで、夜も接待のお酒で疲れきって帰宅し、もちろん十分な睡眠時間もとれず、前日の疲れが取れないまま疲れた体にムチ打って出社する毎日で、週末は、ただただ死んだ様に寝るだけですが、いつもそうできる訳ではなく、接待ゴルフや家族サービスで逆に疲れてしまうこともあります。

 こんな生活も若い時は何とか乗り切れるのですが、年をとるにつれ、肉体的にも精神的にもストレスが溜り、ある時一気に爆発してしまうのが、厄年前後に多いといわれる突然死ではないでしょうか?
 『人は、何のために生きているのか?』これは哲学の永遠のテーマですが、少なくともお金のためにでも仕事のためにでもないことは、明らかです。そろそろ一度ゆっくりと考える時期ではないでしょうか?


Z) 日本の心身医学の創始者とも言える故池見酉次郎氏は1963年初版、心療内科(中公新書)の中で次のように述べています。

 「注意を促しておきたいことは、心身医学は「病は気から」というような諺を文字通りに受け取ろうとする医学でもなければ、心だけが原因で病気がおこるとする医学でもないということである。心身医学は、なんらかの体の異常や症状を訴える患者について、その原因を心身両方向から、さらには気候、風土などの条件も考えに入れて総合的に診断する、また治療に当たっては身体的な面に重点をおくべきか、心理的な面に力を入れるべきか、あるいはその両方にたいする処置を行うべきかなどをよく判断して、それぞれの症例に応じた適切な治療を行うことを目的としている。

 われわれは現代医学が身体の面にだけ偏っていることを矯正しようとして、今度はかえて行きすぎた精神主義に陥ることのないよう、よほど慎重でなければならない。心身医学は、身体医学の今日までの輝かしい成果を否定して、精神主義を築こうというものでは決してない。それは、体だけでなく心も含めた立場から病気を見直すことによって、身体医学的な治療だけでは想像もつかなかったような新しい治療の可能性を見出してゆこうとするものである。」

 

 

 

 


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