|
■気功整体指圧専門ドットコムHOME>>ミトコンドリアYouTubeに動画をアップしました。new! ミトコンドリア
このページはミトコンドリアに関する研究をまとめてみました。ミトコンドリアと心と身体の関係に迫ってみたいと思います。
■冷たいものが雑菌を身体中にばらまく(「究極の免疫力」 西原克成 著 p,94-p,96 より〜)
冷たいものを飲んで腸を冷やすと腸のパイエル板から空気の嫌いな腸内細菌が白血球内に入って、これが血中を巡り、身体中の細胞に黴菌をばらまきます。空気の嫌いな腸内細菌とは、たとえば、大腸菌などの常在性腸内細菌です。細胞に大腸菌が入り込むと、ブドウ糖がピルビン酸になる時の解糖系が阻害され、細胞内でエネルギーをつくるミトコンドリアの栄養が横取りされてしまいます。これによってミトコンドリアの細胞呼吸の働きが阻害されます。この結果、ミトコンドリアではエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が産生できなくなりますし、同時に、細胞はすべての活動がうまくいかなくなりますから、その器官の働きが駄目になります。そうすると、ミトコンドリアのミネラル・糖・アミノ酸・脂質の代謝が駄目になり、その結果、身体全体のレベルで、むくみ、慢性疲労、身体がつねにだるいという症状があらわれます。こうして細胞レベルのエネルギー代謝の不適当が起こることで、私たちの健康は障害されるのです。
また、特殊に分化した器官の細胞の特殊機能はすべてこの細胞小器官のミトコンドリアが担っています。特殊機能とは、その細胞でなければできない物質の分泌や代謝などです。ですから、重要な器官をつくっている細胞のミトコンドリアに機能障害が起これば、その細胞で成り立つ臓器の働きが駄目になります。たとえば、すい臓のミトコンドリアに機能障害が起これば、インシュリンができなくなります。それから、脳下垂体で機能障害が起これば内蔵をコントロールするホルモンが産生できなくなりますし、脳細胞に起これば脳内ホルモンつまり神経伝達物質がうまく産生できなくなったりモノアミンの代謝が狂ったりして、それが深刻な病気へとつながっていきます。
身体を温めると病気が治る本当の理由
しかし、この事実を逆から考えると、一見特殊にみえる病気でも、おおもとの原因は、身体を冷やすことといった、エネルギー代謝の問題があることがわかってきます。となれば、病気は非常に単純なことでおこっているわけですから、非常に単純なことで治すことができるということも理解できます。
もちろん、病状があまりにも進んでしまった場合、器官そのものに大きな障害ができてしまった場合には、治すのは難しくなりますし時間もかかります。たとえばガンなどがそうで、ガンの治療は簡単にはいきません。ガンの発生過程を見てみますと、ガン組織は、まずミトコンドリアが駄目になって発生します。ガン組織ではミトコンドリアの機能が変調し解糖系が盛んになっていることは、ワールブルクの時代から知られています。解糖系というのは、嫌気的(酸素なしで)に糖からエネルギーを産出するしくみです。ガン組織というのは、無酸素でも生きられるので、いってみれば生命力が強く、白血球で退治するのもなかなか困難なのです。
こうなると、解糖系の力が高まっているガン組織に対しては、対抗する白血球の力を強めるしかありません。このためにはまず最も大事なことは、体温を上げることです。体温が上がると、ヒートショック・プロテインによってミトコンドリアが生きかえるといわれています。ガン患者は決まって低体温です。体温をつくるのもミトコンドリアですから、全身的なミトコンドリアの疲弊の症状が低体温で、これが発ガンを促しています。ですから、低体温から37度に変えてやるだけで、ミトコンドリアの基本的な力がよみがえります。あとは、ミトコンドリアが活動するために必要なミネラルとビタミン、栄養分を補っていくことで、ガンの治癒が可能となります。
■細胞内小器官ミトコンドリアの働き
ミトコンドリアは、人の新陳代謝を司り、 生命を維持している最も重要な生命体です。 人の体は60兆個の細胞で出来ていますが、 その細胞の中で、呼吸をする主体となり、
生体の活動に必要なエネルギーを作り出している 独立した極めて微細な「細胞内生命体」が、ミトコンドリアなのです。 その働きは、自らの酵素によって、酸素を利用しながら栄養素を分解し、化学物質のエネルギーを産出し、それが熱や電流に変換される事で、体温を維持したり、筋肉の収縮、神経活動、体に必要な物質の合成や分解などをしており、いわば細胞の中の「発電機」のようなものとも、言えます。
「免疫力」とは、細胞の持つ生命力の事ですから、その最も大切な鍵を握っているのが、ミトコンドリアだと言う事になるわけです。免疫病治療の権威、西原医学博士によりますと、「ミトコンドリアを元気にするには、鼻呼吸や、食べ物からとる良質な栄養のエネルギー源、太陽光線と温和なエネルギー、そして重力からの開放を意味する(骨休め)が必須で、人間が健康に生きる上で、自然の摂理に従った生活が何よりも大切です。人は進化の過程で、しゃべる事によって口で呼吸する悪い癖をもち、直立二足歩行で過大な重力の負荷を追わされた上に、早過ぎる離乳食、冷たいものの飲食、社会生活で受けるストレスという五つの問題点を抱えるようになってしまったのです。
以下は、博士の説に準拠したレポートです。
免疫力を高めるには、 次の七つの生活習慣を改めることからスタートすべきです。
一・鼻で呼吸する。 二・両あごで良く噛む。 三・骨休め(上向きで寝る) 四・冷たいものを過飲、過食しない。 五・軽い運動とリラックスとストレッチを心がける。
六・太陽の光をあびる。 七・心と体に優しいエネルギーを取り入れる。 そもそも、細胞の生命力とは、 細胞レベルの消化・呼吸・代謝・異化・同化・貯蔵・排出の過程を経て、
体の古いパーツが、食べ物や空気から得られた栄養で、新しく造り換えられる必要なエネルギーの事ですから、免疫力をつけるには、臓器や神経細胞・血液・体液を感染症からまもることに尽きます。人は、一晩で約1兆個の細胞(筋肉にして約1kg)が造り換っており、健康な人でも一晩約3千個のガンに発展する可能性のある腫瘍細胞が出来ているそうですから、正常な新陳代謝が如何に大切か、ミトコンドリアの活性化の重要性を自覚する必要があります。
“鼻呼吸”は、鼻の粘膜と細かい繊毛によって異物を排除する浄化作用や、乾燥した空気を加湿する機能によって、空気中に漂う埃や黴菌から人体を守ってくれますが、本来は食物の通り道である口を気道として使っていると、風邪をひき易くなり、花粉症やアトピー症、ぜんそくなど、多くの重症細胞内感染症にかかってしまったりします。
ヒトは約60兆個の細胞でできていて、その細胞一つには約2000〜3000個のミトコンドリアが居ます。このミトコンドリアが全部、活動していると、体温は正常な、36.8前後になるそうですが、半数とか、数割しか活動しないと、低体温になるんだそうです。免疫力を36.8で、100%だとすると、36.0で、65%、35.5で、20%だそうです。つまり、癌やいろんな感染症にかかりやすく治りにくいって事です。
■ミトコンドリアは、人間の体に寄生してる生き物
ミトコンドリアは、人間の体に寄生してる生き物です。 ミトコンドリアが寄生してくれたおかげで、私らは海から出て陸上で生きる事が出来たと言われています。
ミトコンドリアは人の体の60兆の細胞に一つ一つ寄生していて、基本的には酸素をエネルギーに換えるという大仕事をしています。体温すらミトコンドリアが作り出していますし、食べた栄養は最終的にはミトコンドリアにすべて運ばれ、エネルギーに変換してくれています。
それだけではなく、その過程を経ていらなくなった物を尿、汗、二酸化炭素として排出するのまで、ミトコンドリアがやってるんです。ミトコンドリアが作り出しているエネルギーATPとは、車に例えるとガソリンのような物。
これが不足すると細胞間の正常な活動が阻害されてしまうんです。ということは、ミトコンドリアさえいつまでも元気でバリバリ活動してると、私達はかなり若々しくいれるます。内分泌系の臓器には内分泌ホルモンを作るミトコンドリアがいますし、脳細胞のミトコンドリアは脳内ホルモンと神経伝達物質をつくっています。白血球のミトコンドリアは、免疫物質を作ります。ミトコンドリアが寄生してくれてないと、私達は生きていけません。即死んでしまうでしょう。では、ミトコンドリアが喜ぶこと、ミトコンドリアが嫌いな事ってどんなことなんでしょうか??
ミトコンドリアが喜ぶこと ●ミトコンドリアは酸素が大好き 酸素をエネルギーにかえて活動しているので、酸素不足が苦手。
ウォーキングなどの有酸素運動がおすすめ ●ミトコンドリアは太陽が大好き 日光浴をするとミトコンドリアは活性化する。 なので日焼け止めとお帽子は必需品の上、たまには適度な日光浴を!
●ミトコンドリアはカルシウム、ナトリウムイオン、マグネシウムイオンなどのミネラルが大好き そしてこれらが多く含まれる「骨」から数々の栄養を受けて、またさらに骨を排出して丈夫にしています。
冷たくないミネラルウォーターをはじめ、煮干、桜海老、ひじきなどでカルシウムを補給! ●ビタミン、補酵素なども大好き! たっぷりの野菜やその季節の日本の果物など。
ミトコンドリアが嫌いな事 ●冷たい食べ物 冷たい食べ物を食べると腸の温度がいっきに下がります。 すると雑菌や細菌が腸扁桃から白血球に取り込まれてしまい、ATP(アデノシン三リン酸)を作り出すために重要なピルビン酸を奪う。
アイスクリームは砂糖まで入っているので、アンチエイジングにはまさに最悪な食べ物です。 ●口呼吸 口呼吸すると、ろ過されずに直で雑菌が入ってくる。
好気性の菌は、酸素が大好きなので、ミトコンドリアが必要な酸素をどんどん横取りする。 ●睡眠不足 ミトコンドリアの再生が悪くなり、機能が低下する。
●その他、体を冷やす事すべて エアコン、薄着など、、もちろん喫煙も大嫌い! 体温を作り出しているのは、ミトコンドリアなので36,5度以下の体温の人はミトコンドリアの機能がかなり落ちていると見ていいでしょう。
肩や首、腰などがこっている人も要注意。 「こり」とは細胞内のミトコンドリアが機能不全になっている状態です。 最近治療していて気になるのは、顔がこっている人が多い事!
これはアンチエイジングにとっても大問題。 顔の血行が悪く、筋肉に疲労物質がたまったまま代謝されていないという事です。「こり」があると、顔が大きく見えますからね。特に口の横の咬筋が左右非対称にこっている人が多く、顔が歪んで見えます。これは顎関節症の原因にもなりますので、物を噛む時は左右対称に噛みましょう。フェイササイズで顔をよく動かしましょう!
ところで、ミトコンドリアについて余談ですが、その人のDNAとは別にミトコンドリアDNAという物があり、そのDNAは母親の卵子からだけ子どもに伝わるそうです。なんと、ミトコンドリアには父親のDNAがいらないのです!
なので、そのDNAから人類の祖先がわかるという事で、ずーっとたどって行くと一人のアフリカの女性に行き着いたそうです。その人をミトコンドリア・イブと呼びます。
■ミトコンドリアの生物学的な説明(気功の原理) 動物・植物を問わず酸素を使って呼吸するほとんどすべての生物の細胞に広く含まれている細胞内構造物(細胞小器官)の一つで、種類によって異なりますが、一つの細胞は数十から数万ものミトコンドリアを持っています。大きさは細菌くらいで、カプセルのような粒状の形をしています。ミトコンドリアの仕事は、細胞の中で呼吸をしてエネルギーを生産することです。肺から吸い込まれた酸素は、血液に乗って体内の細胞に運ばれミトコンドリアによって糖や脂肪を燃やす燃料として使われているのです。細胞にとって必要なエネルギーを効率よく作る役割を果たしていているミトコンドリアは別名“エネルギーの通貨”とも呼ばれています。ミトコンドリアの内側にある内膜は、多くのひだがあり、内側に向かって入り込んだ部分をクリステという。クリステは通常ミトコンドリアの長い軸に垂直な方向を向いています。内膜の内側はマトリックスと呼ばれていて、マトリックスにはミトコンドリア独自のDNAが含まれており、これをミトコンドリアDNA(mtDNA)と呼びます。また、リボソームも独自のものがここに含まれる。その他、クレブス回路にかかわる酵素群などがここに含まれています。
内膜上には電子伝達系やATP(アデノシン三リン酸)合成にかかわる酵素群などが一定の配置で並んでいます。ミトコンドリアは、食べ物から取り出された水素を、呼吸によって取り入れられた酸素と反応させて、その時に発生するエネルギーを使ってATPという物質を合成します。ATPは、神経細胞が興奮したり、筋肉が収縮したり、肝臓が物質を合成したりする時に消費されます。電気を貯められないのと同じように、大量のATPを細胞内に貯めておくことはできません。そこで、ATP(アデノシン三リン酸)の必要量に応じて、ミトコンドリアは水素や酸素をすみやかに反応させたり、あるいはゆっくり反応させたりして、呼吸の速度を調節しています。
運動をすると呼吸や心拍が激しくなり、休むと次第におさまります。これはミトコンドリアの活動を反映しているのです。ミトコンドリアを発電所にたとえると、水素と酸素を反応させるエンジンが「電子伝達系」で、電子伝達系によって駆動される発電機が「ATP合成酵素」です。エンジンと発電機の設計図は、ミトコンドリアの中のDNAと、核の中のDNAに分かれて保存されています。エンジンと発電機の主要な部品の設計図は、ミトコンドリアDNAの中に書かれており、ミトコンドリア自身の蛋白合成装置によって作られます。その他の部品の設計図は、核のDNAに書かれており、そこから読み出され、細胞質の蛋白合成装置によって作られ、ミトコンドリアの中に運ばれてきます。二つの系統の遺伝子産物が組み合わされ、エンジンと発電機ができあがります。
■機能(気功の原理) ミトコンドリアの主要な機能は電子伝達系による酸化的リン酸化によるエネルギー生産である。
酸素とは元来、原生生物にとって毒となるものであったが、ミトコンドリアの機能により、酸素から運動エネルギーを獲得できるようになった。細胞のさまざまな活動に必要なエネルギーのほとんどは、直接、あるいは間接的にミトコンドリアから、ATPの形で供給される。現在、他の機能としては、カルシウム貯蔵、アポトーシス責任器官としての役割が指摘されている。
体の筋肉を動かすには大きなエネルギーが必要となります。このエネルギーをミトコンドリアは、マトリックス内で、「生体の電力」とも「エネルギーの通貨」とも呼ばれるATPというエネルギー源として、常に生産し続けているのです。自動車業界では、水素エンジンの開発に躍起になっていますが、このミトコンドリアのエネルギーの合成に比べたら100年以上も遅れていることになります。
ミトコンドリアのマトリックス内では、37度前後の温度で、水素と酸素を合成させて「エネルギーの通貨」を生産しているのですからこれは、偉大な働きであり、神の仕業としか思われないのです。私達が体を自由に動かすことができるのも、体温を一定に保っていられるのも、ミトコンドリアがマトリックス内で、生産している「生体の電力」とも「エネルギーの通貨」とも呼ばれているATPというエネルギーのお陰なのです。このエネルギーがなかったら、話すことも、考えることも、仕事をすることも、何もできないのです。
ミトコンドリアの成り立ちは、原始細胞の中に、呼吸能力のある細菌が入り込んで、共生を始めたのがミトコンドリアの起源であると考えられています。ミトコンドリアの遺伝子は核の遺伝子よりも約10倍も進化速度が速いことが知られています。核のDNAについてヒトとチンパンジーを比べると、稀にしか相違点が見つかりませんが、ミトコンドリアDNAを調べると、ヒトとチンパンジーの間で多くの相違点が見つかります。この点からも、ミトコンドリアには、意思のようなものが感じられます。共生という生き方を選択したミトコンドリアが、私達人類に、対立しないで、共に協力しながら、支えあいながら生きることが、生命が繁栄する最良の方法であると、教えてくれています。
ミトコンドリアは、私達人間の意識に反応しているのは明らかなことで、病気になるのは、ネガティブなエネルギーレベルの低い意識がミトコンドリアに影響して、エネルギーの出力を弱めているとも考えられます。ミトコンドリアの機能は、多くの病気や老化に深く影響していることが、近年の研究で明らかになってきています。上の説明にも記述されている「アポトーシス」とは、細胞のプログラム死のことであり、ガンになった細胞など、このプログラムの働きで強制的に、排除する機能です。ですから、この機能が正常に働けば、ガンなど多くの病気の心配もなくなるのです。1人の人間の60兆の細胞に、100個あったとしても、6000兆個もあります。ミトコンドリアが発電所ですから、一つ一つのミトコンドリアがエネルギーを発電しているのです。少なく見積もっても6000兆個以上のミトコンドリアが、私達の体にエネルギーを供給するために毎日休むこともなく、働いてくれています。元気になるのも、病気になるのも、6000兆個以上のミトコンドリアに意識の働きかけが、影響していると思われます。
■現時点で考えられるミトコンドリアの特徴をまとめてみました。 ● 酸素を活用できなかった原細胞が、ミトコンドリアとの共生という奇跡が起きて、毒である酸素を活用でき、さらに運動エネルギーに活用することができるようになった。
● ミトコンドリアとの共生によって、生物は爆発的に進化した。 ● ミトコンドリアは世界中で、一番繁栄している器官である。
● ミトコンドリアの中の構造がマトリックスと呼ばれている。 ●マトリックスは、細胞のエネルギー生産の場である。
●mtDNAは、10倍以上のスピードで自己増殖し分裂する。 ● 母親のDNAだけが受け継がれる。 ●寿命や病気そして、細胞の死のプログラムに関与している。
人間が、骨と肉と血液など様々な人体を構成してきる物質だけでは、ロボットと同様に、エネルギーがないと、動かない!という事は誰もが承知していることです。この機会に、人体を動かしている動力源を知り、神秘的な人体の仕組みに、感謝の意味も込めて、再認識してください。そして、この奇跡のような体を授かったことに、畏敬の念を持ち、深い感謝の気持ちを習慣にして下さい。意識レベル=エネルギーレベルを高める事が、ご自分のミトコンドリアと通じ合い、今までよりも良好に働くことを確信しています。
ミトコンドリアのマトリックス内でのエネルギー調整や、色々な働きが、理想的に保つことができれば、病気の克服、老化の阻止など、そして、エネルギーの高まりが、運気の高まりにも通じて、すべてが良くなることが期待できるのです。運気とは、気を運ぶということです。6000兆もの生体エネルギーを発電しているミトコンドリアの働きを促進する意識レベルの高い思いは、運気を運び、運気を呼び込む作用をするのです。
■ミトコンドリアは「生体の電力」・「エネルギーの通貨」の発生の基地(気功の原理) なぜ、ミトコンドリアなのかというと、ミトコンドリアは、生体内のエネルギーの発生基地でもあり、その内膜の内側が
マトリックスという名称がついているのです。ミトコンドリアは、私達の細胞の中にあり、細胞の活動に必要なエネルギーを供給している発電所とも呼ばれています。その数は、細胞の種類によってまちまちですが、数百から数千個もあり、10万個ものミトコンドリアを持つ卵細胞などもあります。60兆の数千倍としても、天文学的数です。人間ばかりでなく、核を持つ生物の細胞のすべてにミトコンドリアがありますから、地球上の総数は宇宙の星のようにほとんど無限に近い数になります。ですからミトコンドリアは、地球上で、最も繁栄している器官とも言えるのです。
■ミトコンドリアは生命活動の源!
我々は全身の細胞の小器官ミトコンドリアのお蔭で生かされています。生命活動に必要なミネラル・糖・アミノ酸・脂質の代謝、細胞の新陳代謝(リモデリング)の約95パーセントを全身のミトコンドリアが担っています。
ミトコンドリアは、生命エネルギーを作りだしています。このとき重要になるのが、エネルギーを作りだす基となる「ATPサイクル」。ATPとは「アデノシン三リン酸」の略称でミトコンドリアで生産される化学物質。体内の糖質を、呼吸によって摂りいれた酸素とゆっくり反応・燃焼させることにより発生するエネルギーの一部を利用してATPは作られます。電気エネルギーや温熱エネルギーは、このATPの中に蓄えられており、必要に応じて取りだし利用されます。
ヒトは恒温動物です。 ミトコンドリアには温度依存性があって恒温性はミトコンドリアにとって重要で、ヒトでは必ず体内温度(深部体温=脳・内臓などの身体深部の血液温度のことで、ほとんど個人差はない。)が37℃前後でないと、活動がうまくいきません。この事実が大変重要なことにもかかわらず忘れられているのです。病人のほとんどが34度台、35度台の低体温です。その原因は長時間のおしゃべり、喫煙などによる口呼吸、エアコンや冷蔵庫の影響による冷え、不規則な睡眠時間・短時間睡眠による睡眠障害、などのストレスによる体液循環の滞りでミトコンドリアが機能不全に陥っているためです。
こりは、体液循環の滞りが原因でミトコンドリアが機能不全に陥っている筋肉の状態です。
現代医学はいまだに腰痛・肩こりすら治せないのです。現代医学に求められているのは、心身の機能的な病気の原因解明とその法則性に基づく治療法の確立です。それはミトコンドリアの機能とこりについて十分理解することなのです。ミトコンドリアの機能は解明されつつありますが、こりについては原因解明とその法則性に基づく治療法が確立していません。その為に病気の治療技術が確立していないのです。
こりを取ることでミトコンドリアの機能不全を回復し病気を治癒できるのが、「私独自の気功整体指圧」・「心身悪循環の法則」による世界に一つしかない「サーキュレーションセラピー」です。
私は、こりのプロフェショナルと自負しております。こりという言葉が大変ポピュラーなのに、こりの本質とこりを取る方法について真剣に研究されていないのが大変残念に思っています。その為に私はこりと病気の関係についての研究を毎日続けています。
■新陳代謝(しんちんたいしゃ)? 新陳代謝とは、全身の約60兆個の細胞が古いものから順番に新しい細胞に生まれ変わる活動のことをいいます。これは、場所によって周期が異なり、例えば、体液は10日、肌は28日・心臓は22日・胃腸は5日・筋肉と肝臓は60日・骨が90日と様々です。この活動により私達は新鮮な身体を維持しています。
●「新陳」は、古いものを捨てて新しいものへ生まれ変わるということ。 ●「代謝」は、体温を維持するためのエネル ギーや運動に必要なエネルギーをつくること。
■造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)? 血液中には赤血球、白血球、血小板の3種類の血球が含まれています。血球には寿命があり、たえず新しいものに入れ替わっています。一定の血球数を保つためには常時新しい血球の供給が必要で、供給源となっているのが骨髄中の造血幹細胞です。
ミトコンドリア(瀬名秀明・太田成男 ミトコンドリアと生きるについて___
松岡正剛千夜千冊より) 高校で習った生物の教科書では、ミトコンドリアについてはATP(アデノシン三リン酸)をつくっていることばかりの説明しかなかった。そのころの教科書はないので、ぼくが数年前に高校教科書『理科基礎』を監修した縁のある東京書籍の『生物TB』を見ると、こう書いてある。
すべての真核細胞にあり、呼吸をいとなみ、生命活動に必要なエネルギー源であるATPを生産する。内外の二重膜(二重の生体膜)に包まれ、内側の膜(内膜)は内部に向かって突出し、クリステを形成する。内膜に囲まれた部分にはマトリックスがある。細胞内で分裂によってふえる。
こんな程度だ。それでもいま見るとよく書いてあると思うけれど、むろんこれは“現状”のミトコンドリアであって、化学分化と化学進化の歴史のなかでのミトコンドリアがどんな活動をしていたのかは、これではほとんどわからない。ミトコンドリアには、生命エネルギー源ATPをわれわれにもたらす以前の正体があったのだ。実は次のようだった。
およそ16億年前、地球に単細胞生物しかいなかったころ、ある単細胞生物がたまたま近くにいた別種の単細胞生物をとりこんで、なぜか共同して生息するようになった。それから時が流れ、分裂と増殖がくりかえされるうちに、とりこまれたほうの生物の遺伝子は、その大部分が宿主(ホスト)側の遺伝子にくみこまれ、やがて二つの生物は“融合”した。この新しい生物こそ今日の多細胞生物の“元祖”であった。これがリン・マーグリスが描いた「核とミトコンドリアの共生」の物語のおおざっぱなシナリオだ。
地球が46億年前に誕生したとき、生命らしきものはこれっぽっちもいなかった。やがて地球が冷えて海が形成されると、海底火山口からは金属塩類をたっぷり含んだ高温高圧の熱水が噴出し、地球の原始大気を水蒸気・窒素・二酸化炭素、それに少量のメタン・塩化水素・二酸化硫黄・硫化水素などの構成にしていった。
このときは酸素はごくごく僅かで、大気中にはほとんどなかった。酸素がないからオゾン層もなく、紫外線や宇宙線がじかに地表に降りそそいでいた。たくさんの隕石の落下も、雷による放電もあった。
こうした強烈な刺激が地上でつづくうちに、海中で物質が反応しあって炭素を基調とする有機物がじょじょに合成され、さらにこれらの有機物どうしが組み合わさって高分子が形成されていった。これらの高分子こそ「生命の基体」となったもので、ここにRNAによる原始的な情報システムが生まれ、40億年ほど前にはDNAのセントラル・ドグマによる情報転写活動が開始した。
ついで27億年前になると、地球上では大規模な大陸移動がおこり、広い範囲の浅瀬ができて、生命誕生にふさわしい太陽光が射しこむ好条件が整った。ここに光合成をするシアノバクテリアの祖先にあたる藍藻類が出現した。藍藻類は二酸化炭素を吸って酸素を吐き出し、地球はここに初めて「酸素をもつ惑星」となった。
もっとも酸素はそもそも生物にとってはきわめて危険な代物で、他の元素とくらべて電子を吸収する力が強く、そのため周囲のさまざまなものと結合してしまう。酸化してしまう。また酸素は燃焼反応をおこしやすく、すぐ火を放つ。さらに酸素は他の物質と反応するときに電子を2個吸収するのだが、中途半端に1個だけ吸収すると、酸素よりももっと強い酸化作用をもつ「活性酸素」に変化してしまうという性質がある。こうなると生体に入った活性酸素は近くにあるタンパク質や脂質や糖や核酸などとすぐに反応して、これらをずたずたに切り裂いていく。
つまりは酸素は地球に「生命の温床」を用意したのだが、その一方で毒ガスをまきちらしていたわけでもあって、だったとしたら、多くの生命体がこの段階で死滅したはずなのだ。
ところが、どっこい、このときにこうした酸素の毒性に耐えられる生命体がいた。有毒な酸素をつかってエネルギーを産生する連中だ。この連中こそミトコンドリアの祖先なのである。
やがて意外な事件がおこる。およそ16億年前のこと、ミトコンドリアの遠い祖先であるこの連中が別の生命体の中に入りこんだのだ。なんらかの理由で大挙移住(移動)した。そして、この二つの生命体の遺伝情報はまもなく“融合”してしまったのである。
リン・マーグリスの「ミトコンドリア=細胞内共生説」とはこのことだった。しかし、その後の研究によって、マーグリスの説明だけでは説明できないことがいくつも出てきた。最初の移住者がαプロテオバクテリアらしいということもわかってきた。
現在の地球にいる生物は大きく見ると、「古細菌」「バクテリア(真正細菌)」「真核生物」の3種のドメインに分かれる。これ以外はいまのところ、ない。古細菌ドメインは太古の地球に生存していた単細胞生物で、火山や温泉のような高温で硫酸を含む場所に生きている好熱好酸菌、死海のような高塩濃度を好む好塩細菌、下水処理場などで有機廃棄物を発酵させるために用いられるメタン生成細菌などがある。
バクテリア(真正細菌)のドメインは分裂によってふえる単細胞生物たちで、光合成細菌体、大腸菌、ブドウ球菌、スピロヘータ、リケッチアなど、たいへんな種類がある。バクテリア(真正細菌)のDNAは染色体のようなかたちをとらず、細胞質のなかにそのまま入っている。かなり初期に光合成細菌が、その後にαプロテオバクテリアが生まれていったのだと思われる。以上の古細菌とバクテリア(真正細菌)をまとめて「原核生物」ということもある。
一方、真核生物ドメインに入るのは、以上のほかのすべての生物だ。原生生物(トリパノソーマ=鞭毛虫類・粘菌・ゾウリムシなど)、酵母、植物のすべて、われわれヒトを含めた動物のすべてが入る。真核というように、細胞に核がある。DNAはその核の中にある。
大別すればこうなるのだが、これら3種(あるいは原核生物と真核生物)がどのように関係しあって進化してきたのかとなると、どうもわからないことが多い。うまい系統的発展の説明にならないのだ。
たとえば真核生物にはいくつかの種類のアミノアシルtRNA合成酵素というタンパク質をもっているのだが、このうちのひとつの遺伝子を調べてみると古細菌のものに似ていた。けれども別のアミノアシルtRNA合成酵素を調べてみると、バクテリアのほうに似ていた。また、真核生物の酵母であるアスパラギンtRNA合成酵母の遺伝子は、古細菌に由来する遺伝子とバクテリア由来の遺伝子をつなぎあわせているとしかみえない。調べるタンパク質によって系統樹が変わってしまうのでは、どれが実際の進化の関係を示しているのか、わからない。どうすれば、この複雑さを説明できるのか。これはどう見ても、太古におこったはずの「細胞内共生」についての考え方を変える必要がある。
よく知られているように、DNAにひそむ遺伝情報はA(アデニン)・T(チミン)・G(グアニン)・C(シトシン)という塩基の文字によって符号化(暗号化)されている。ATGCはDNAの螺旋梯子の部分にあたっていて、AとT、GとCが結合している。この塩基配列がタンパク質の基本設計図で、その符号の並びぐあいに従ってアミノ酸を順につくり、これをくっつけていけば目的のタンパク質になる。
生物がつかうアミノ酸は20種類である。アミノ酸1種を1文字で符号化すると、4種類のアミノ酸しかつくれない。2文字なら4×4=16個のアミノ酸を符号化できる。が、20種類にはまだ足りない。そこで3文字ずつを組み合わせて、4×4×4=64種のバリエーションにした。3文字を一組に符号化した。これが「コドン」である。3文字連なりのコドンならかなり余裕ができる。生物はこの戦略を編み出した。このコドンとアミノ酸の対応を遺伝子コードという。
しかし、これは細胞の核の中におさまっている「核DNA」の遺伝子コードなのである。実は細胞のなかで核とは別のところにあるミトコンドリアは、これとは異なる遺伝子コードをもっている。これを「ミトコンドリアDNA」(mtDNA)の遺伝子コードという。核DNAとミトコンドリアDNAは別物なのだ。
ミトコンドリアDNAは核DNAとくらべものにならないほど短く、その程度の符号ではミトコンドリアのすべての機能をカバーできるはずがない。なぜ、こんなものがあるのか。推理できることはただひとつ、ということは、このミトコンドリアDNAは、かつて細胞のなかに入りこんだミトコンドリアの祖先がもっていたDNAの痕跡だったのではないかということだ。
それでは、残りの多くはどうなったのかというと、これが核DNAに組み込まれていった。いいかえれば、ミトコンドリアの祖先がもっていたDNAの大部分は核へ移住して、古細菌の祖先に由来するDNA群と“融合”してしまったのである。最近の仮説では、さきほども書いたように、αプロテオバクテリアという連中が古細菌に入っていったと考えられている。
これはいわゆる「ふつうの共生」ではないかもしれない。どちらを主語にするかによるが、ひょっとしたら「乗っ取り」(テイクオーバー)かもしれず、「寄生」(パラサイト)かもしれない。「収奪的共生」という説明をする研究者もいる。もうちょっと編集工学っぽくいえば、相互に密接な「編集的生命関係」というものなのかもしれない。
いや、正確にいえば、真核生物の細胞を宿主(ホスト)として、好気性のαプロテオバクテリアなどがそこに入りこみ、そこでミトコンドリアに“なった”。こう、考えるしかない。生物史のある段階で(16億年前あたり)で、ミトコンドリアがなんらかの理由で合成的に作られたのだ。
本書はミトコンドリアを扱った多くの類書のなかでは、きわめてわかりやすく、また刺激に富んだ一冊になっている。 それもそのはずで、本書の著者の一人の瀬名秀明は『パラサイト・イヴ』の作者なのである。その瀬名が、スイス・バーゼル大学研究所と自治医科大学でミトコンドリアを研究してきた太田成男(いまは日本医科大学教授)と組んだ。太田はミトコンドリア病の専門家でもある。このコンビネーションのせいで、まことによくできた一冊になっている。
小説『パラサイト・イヴ』は1995年に発表されて、日本ホラー小説大賞をとった。この年は阪神大震災と地下鉄サリン事件があった。なかなか暗示的な年だった。『パラサイト・イヴ』については、日本にもついにアイラ・レヴィンの『死の接吻』やディーン・クーンツの『ストレンジャーズ』に匹敵するモダンホラーが出現したと騒がれた。ぼくもすぐに読んで、なるほどうまいと思った。
筋書きは、国立大学の薬学部に勤める研究者(永島利明)の妻が交通事故で死亡して、その腎が14歳の少女(安斉麻理子)に移植されるという設定になっていて、その少女が腎のうごめくのを感じたり、何者かが襲ってくる幻夢にうなされるというふうになるにしたがって、しだいに恐怖が募る。
主人公の研究者は妻の肝細胞を採取して、培養をする。その細胞は異常な増殖能力をもっていて、調べれば調べるほどミトコンドリアが未曾有の活性化をおこしていた。永島は細胞をクローン化することを思いつき、これを「イヴ」と名付けた。しかし‥‥実は、これらの一連の出来事は、つまり妻の死も臓器移植も「寄生者」(パラサイト)であるミトコンドリアが仕組んだ罠だった――。そういう話だ。
この筋書きにはむろんいくつもの下敷きがある。瀬名は東北大学の薬学科の大学院に在学中にこの小説を書いたのだが、そのため、かなり生化学にも分子生物学にも詳しい(のちの作品を読むとどんな科学にも強い)。なかでも下敷きになったのは、1987年に「ネイチャー」に発表されたセンセーショナルな論文だったろう。
カリフォルニア大学のアラン・ウィルソンとレベッカ・キャン(当時は大学院生)という分子進化学者が、現在生きているすべての人間は、かつてアフリカにいた一人の女性のミトコンドリアDNAを起源にしていると言い出したのだ。
ウィルソンとキャンは、世界中の民族や血統の異なる147人の現代人のミトコンドリアDNAを採取し、それに制限酵素(特定の塩基配列を切断する酵素)を反応させ、どのような長さのDNA断片が得られるかを比較計算した。そのうえでミトコンドリアDNAの変異系統樹をつくった。
二人はミトコンドリアDNAの変異がざっと100万年に2〜4パーセントの割合でおこると想定した。その時間尺で計算すると、系統樹のルーツが約14万年前から29万年前にさかのぼる。これは一部の化石人類学者たちが想定してきた約20万年前に出現した人類の起源とほぼ一致する。そこで二人は、きっと小躍りしたのだろうけれど、このミトコンドリアDNAをもったアフリカ女性に尊敬と機知をこめて「ミトコンドリア・イヴ」という称号を与えた。
この算定はその後、さまざまに検証された。それに役立ったのはぼくも第72夜に紹介しておいたキャリー・マリス博士のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法である。ホンダ・インテグラを乗りまわして離婚と結婚をくりかえすこのノーベル賞化学者についてはここではもうくりかえさないが(うんざりするので)、彼がやたらに女好きだということが「ミトコンドリア・イヴ」と妙に結びついている(笑)。
それはともかく、「ミトコンドリア・イヴ」についてはここでもうひとつ重要なことを言っておかなくてはならなかった。それはミトコンドリアDNAは母系遺伝する(母系遺伝しかしない!)ということだ。
われわれは精子と卵子の合体、すなわち受精によって誕生する。このとき、父親由来の遺伝子と母親由来の遺伝子を1セットずつ受け継ぐことになる。これが核DNAの遺伝法則であり、大原則だ。つまりメンデル遺伝だ。
ところが、ミトコンドリアの遺伝子は母親からの遺伝子しか継承しない。これが母系遺伝なのである。なぜか精子のミトコンドリアDNAは受け継がれない。メンデルの法則を無視してしまう。なぜこんなことがおこるのか。精子は卵子に自分の遺伝子をどうして届けなかったのか。
ふつう、ミトコンドリアは楕円形のゾウリムシのような形をしていると思われている。そこにクレステという壁か襞のような区切りがついている。昔も今も生物の教科書にはそういう模式図がのっている。けれども実際は、ミトコンドリアは臓器ごと、組織ごとに形がちがう。糸状か粒状になっていることのほうが多い。
精子のミトコンドリアは鞭毛の付け根にあって、まるで鞭毛を縛りつけるようにとぐろを巻いている。このミトコンドリアが精子を活発に動かすエネルギーを送り出している。最初に書いておいたように、ミトコンドリアの最も重要な役割はATPの産生だから、これは当然だ。それならばなぜ精子のミトコンドリアDNAは卵子に合体しないのか。
これについてはかつては、受精のときに精子の核だけが卵子に入りこみ、鞭毛の根っこについていたミトコンドリアは中に入らないせいだと解釈されていた。ところがこれはまちがいで、実は精子のミトコンドリアも卵子の中にちゃんと入っていることが電子顕微鏡などの観察でわかってきた。それにもかかわらず精子のミトコンドリアDNAは受精卵には伝わらない。消えたのだ。
なぜ消えたのか。まだそのしくみの一部しかわかっていないのだが、これは精子のミトコンドリアがユビキチンという物質によって“消されている”せいだという。なんらかの目的で、卵子はユビキチンという“目印”を精子の遺伝子につけ、これを消したのだ。“目印”をつけたのは、それ以外の卵子のDNAを消さないためだ。このため、卵子に残ったミトコンドリアDNAだけが次世代に伝えられ、母系遺伝の系譜ができあがったらしい。恐るべき「母性の起源」であろう。
それにしても「ミトコンドリア・イヴ」の歴史には、まだまだ秘密が多い。またミトコンドリアDNAを目盛りにして新たな生物史や人類史を解く試みも、これからそうとうに新たな結末を呼びこみそうだ。
そういう成果のまだ一部にすぎないが、ヒトと類人猿とサルとの関係も、ミトコンドリアDNAの塩基配列からしだいに解けそうになっている。宝来聰(総合研究大学院)がヒトと類人猿の系統樹をあきらかにしてみせたのは、そういう成果のひとつだった。それによるとオランウータンが約1300万年前に枝分かれし、次にゴリラが約656万年前に自立して、つづいてチンパンジーとヒトが487万年前に、そのあとボノボ(ピグミーチンパンジー)が233万年前に分かれたということになった。松岡正剛事務所の和泉佳奈子は学生時代にサルの研究をしていたのだが、ある日、ボノボがそのような類人亜種であることを知って、いつかアフリカのボノボに会いたいと思っている。
その人類誕生のミステリーも、ミトコンドリアDNAが解く可能性がある。ヒトが直立二足歩行をしはじめるのは500万年前の地球規模の寒冷化と砂漠化以前ではない。そのあとの440万年前にラミダス猿人が、つづいてアファール猿人(その代表が「ルーシー」、第622夜『ヒトはいつから人間になったか』参照)が登場して、すべての人類ドラマのプロローグがおこったのである。
さらにホモ・ハビリス、ホモ・エレクトスと続いたのちにネアンデルタール人(旧人)があらわれて、しかし、あえなく絶滅した。われらがホモ・サピエンス(新人)はそのあとの登場である。問題はいったい旧人と新人の切り替えがいったいどのようにおこったかということだが、ミトコンドリアDNAによる解析では、ネアンデルタール人とホモ・サピエンスは一定期間(おそらく数千年ほど)はどこかで“共存”していたことになる。けれどもネアンデルタール人の化石標本のミトコンドリアDNAには、現代人の塩基配列はまったく見られなかった。旧人と新人は交わらなかったか、もしくは交われない何かの理由(きっととんでもない理由)があったのだ。
ともかくもそういうなかで、最初のアフリカ人としての「ミトコンドリア・イヴ」が出現したわけである。ではイヴたちはどのように“出アフリカ”をしていったのか。これもある程度の見当がついてきた。最初にイヴ一族はモーセのごとく中東に進出し、そこで北に進んだ西ユーラシア人と、東に進んだ東ユーラシア人に分かれた。約9万年前のお別れだ。われわれモンゴロイドはこの後者の旅人の末裔にあたる。そのモンゴロイドがベーリング海峡を渡るのは2万年前ほどのことである。まあ、そういった人類史と遺伝子の関係については、さらには日本人のDNA伝記については、また別の本で案内したいと思う。
ところでふたたび『パラサイト・イヴ』の話だが、これは2年後には映画化されて、少女を葉月里緒菜が演じた。これで『パラサイト・イヴ』とミトコンドリアの動向はおおいに人口に膾炙し、余談になるけれど、ミトコンドリアの正体は緑色した怪物のようなものだという印象すら広まった。
たしかにミトコンドリアには銅の成分を含んだチトクロムc酸化酵素があって、この酵素は黒ずんだ緑色をしている。けれども生きた細胞のなかのミトコンドリアは大量の鉄分が含まれているので、赤茶色だ。そのためミトコンドリアが多い筋肉を赤筋、少ない筋肉を白筋ということがある(まるで歌舞伎の隈取りだ)。
それなのにミトコンドリアが緑色だと思われているのは、葉月里緒菜がミトコンドリアの化け物に変身するときに体を緑色に塗られ、目の中に緑のカラーコンタクトにしたからだった。
もっとも、もうひとつの奇妙な理由があったらしい。ほんとうにそんなことが人心をゆさぶったのかどうかわからないが、ミトコンドリアには「ミ」「ド」「リ」という文字が隠れていたせいだった! もっともぼくがミトコンドリアと緑色を結びつけるというなら、ジェラール・ド・ネルヴァルの「緑色の怪物」やノーム・チョムスキーの生成文法論に有名な例文を持ち出したい。
では、諸君、今夜はミトコンドリアの緑色の悪夢を見られたい。どんな悪夢にうなされたとしても、ぼくはいっさい責任をもちかねる。 |